馬場 脩 (ばば おさむ)  1892年〜1979年

 アイヌ文化の源流をもとめた研究家。孝古学者で北方民族研究の世界的な権威者馬場脩。

 函館市に生まれ、日本歯科大学卒業後、米国カンサス市ウェスタン・デンタルカレッジで学位を取得。のち東京で開業したが、幼少から傾注していた考古学、殊に日本北方地域の調査研究に専念した。1930年(昭和5年)択捉島の発掘調査を契機に、当時日本最北端の北千島、シュムシュ(占守)・バラムシル(幌筵)2島の考古学調査を、1933年から1938年にかけて5回にわたり継続実施した。また樺太の調査をも併せて行っており、その結果日本北限地域の先史時代文化は、学問上極めて高く評価されるほど明確になった。殊に当時学界の謎とされていたオホーツク文化の究明には偉大な業績を残している。生前集めた文献は市立函館図書館に馬場文庫として寄贈し、また樺太アイヌの生活用具は重要有形民俗文化財として一括国の指定を受け、考古学資料とともに函館博物館に納められている。 北千島・樺太およぴアイヌに関する著作も多く、1979年(昭和54)出版『樺太・千島考古・民族誌』全3巻に収録されている。1974年函館市文化貰、1976年吉川英治文化貰を受賞。
 現在、
調査・収集した資料は「馬場コレクション」として函館市北方民族資料館に展示されている。


本文/「ステップアップ」vol.44(1992.11)より
(写真・資料/北方民族資料館、「北海道大百科辞典」北海道新聞社)